消費する「旅」は、生産する「旅」へ。
そして稼ぐための「はたらく」は、輝くための「はたらく」へ。
すごい旅人求人サイトの「SAGOJO」と、旅するようにはたらく「JOB HUB TRAVEL」主催、企業人トラベラーvsフリーランス旅人 旅するように『はたらく』あなたはどっちのスタイルdeショー。
旅するように「はたらく」から、どのように「生きるか」まで発展した濃ゆい会をレポートします。
会場は、日本最大規模の参加型旅行案内所「TRAVEL HUB MIX 」。素敵な場所だったなぁ。
では、さっそくどうぞ。
■あなたはどっちタイプ? フリーランス旅人、企業人トラベラー
今回のイベントは、SAGOJOでフリーランスとしてはたらく旅人と、JOB HUB TRAVELで会社員と複業を両立しているトラベラーが登場。それぞれのスタイルの何が素晴らしいのかをアピール合戦するという企画でした。
フリーランスは自由で最高! とか、会社員は安定しているとか、そんな浅い話ではない個性のぶつかりあいだったのでとても楽しいバトルでしたよ。
<ゲスト> ・フリーランス旅人:舘 そらみ(脚本家・舞台演出家) ・企業人トラベラー:野中 瑛里子(企業人、新規事業担当) ・スガ タカシ(株式会社SAGOJO 取締役) ・大田 航平(株式会社パソナJOB HUB 旅するようにはたらく部 副部長) <司会> ・新 拓也(株式会社SAGOJO 代表取締役) |
■どっちの方が、地域をよく知り関われる?
野中 瑛里子さん(以下、野中):企業に勤めていると旅先に長く滞在できないため、有給休暇と合わせて少し長めに休みをとっても1週間くらい。そうすると現地の方と仲良くなるには時間が足りないなぁ。
■野中 瑛里子 ・会社員を本業にしつつ、複数の副業を行なっている。副業の中の1つとして、Startup Weekendのイベントの運営をサポートしており、海外に行くことも多い。 ・本業をライスワークとして安定的に稼ぎつつ、管理職は狙わず仕事量を一定に留めておき、副業で自分の本当やりたいこと(ライフワーク)を生産性高く自由にやっている。 |
舘 そらみさん(以下、そらみ):フリーランスはいつでも行きたい場所に行きやすいのと、地域に住むように滞在しながら仕事を行うこともできます。
地域に順応する力は筋肉のようなもので鍛えることができると思っていて、20ヶ国を超えたころから、繋がり方、順応力の鍛え方がわかるようになってきました。
■舘 そらみ ・3分の1海外、3分の1国内の地方、3分の1東京にいる生活。仕事によって、過ごす場所を決めている。 ・東京にいる時は、舞台演出など、東京で人と合わないといけない仕事をしている。 ・国内の地方は、子供に向けた授業など、地方行く中で人との縁で生まれた仕事を行っている。・脚本などの何かを新しく生み出す仕事は、出したいアウトプットに合わせて国を決めて行っている |
スガ タカシさん(以下、スガ):現地に馴染んでいくコツとは?
そらみ:私の場合はairbnbなどで地元の人の家に泊まって情報を得ることで、その土地の楽しみ方を知ったりして地域に早く順応するようしています。
あとは、バカになることかな。自分は何も知らないから、教えてくださーい! というスタンス。例えば、旅した国のバスの乗り方を事前にスマホで調べたりせず、バスに乗ってから他の人に乗り方を聞いみるなど、スマホのガラス越しに調べすぎないで、意図的にバカになる。
思い込みや偏った想像をはずし、自分は何も知らないというフラットな在り方でいることが大事だと思っています。
スガ:それができる人って少ないよね(笑)
そらみ:そうなんですよ。私も渡航先が20カ国を超えたくらいから順応筋肉がついたので、はじめは本気でわからないよーって涙を流していました。
でも、現地を自分の足で歩いて現地のものを食べ、人の話を聞いて自ら情報を得ていくみたいな姿勢を大切にしています。
スガ :海外ではどんな人から情報を得ているの?
そらみ:現地に住んでいる日本人に聞くことが多いかな。あと、ドミトリーなどに溜まっている旅人とか。地元の人の話を聞く場合は、日が昇っているときに会うことにしています。夜は心を閉ざして家族へ向かってしまうと感じているから。
スガ :海外で人と会うなら昼。なるほど。
そらみ:私自身、朝が苦手というのもあるけど、起きてから14時までは人と会うようにしています。そして14時から仕事をはじめて、その日の仕事が終わったら飲みに行くみたいなルーティンを決めています。
大田 航平さん(以下、大田):野中さんはいかがでしょうか?
野中:旅をしながら働くって、リモートワークとその地域の仕事をするかで違いますよね。私の場合、なるべくリモートワークはせず、現地の人との触れ合いやミーティングを優先しています。
■お財布事情。どっちがぶっちゃけ稼げる?
大田:リアルな金額ではなくていいので、どんな稼ぎ方をしているのかなという参考までに。
そらみ:ぶっちゃけいうと、2018年はだいぶ稼いでいて、同年代のサラリーマンより。でも2019年は、「自分にしかできない仕事か」という基準で仕事を請けていたら収入がほとんどなくなった(笑)下半期は依頼がたくさん来ているので大丈夫そうだけど、フリーランスは博打的な要素もあり倍々ゲームもできるけど0もある。
野中:会社員の収入が安定しているというのは心の余裕としては大きい。毎月入る給与をベーシックインカムにして旅をしたり、好きな副業をしたりできる。私の場合はあえて管理職を狙わず副業を行い、本業と副業をあわせて管理職並の給料を稼ぐことを目指しています。
そらみ:私は先ほど触れたように仕事のスタイルを変えていて、今年は本当にやりたい仕事をやりたいときだけやろうと思って。そうすると収入がどんどん減っていくんですが、逆に死ぬまでにやりたいことも明確になっていく感覚があるんです。働きがいが良くなっている感かな。
スガ:やりたい仕事との出会い方ってある?
そらみ:フリーランスは自分で仕事を生み出さないといけないので、お客様が困ったりしたときに思い出してもらえる人であることが大事。そのために、一緒に仕事したいなという人には、その人の関心ごともふまえ、自分はこんな仕事ができるということをランキング形式などで紹介するレポートを作成し、勝手に送るようにしています(笑)これが効果があって、仕事が欲しい時に声がかかるようになりました。
スガ:お客様にポートフォリオを定期的に送るって、いいTipsだね。フリーランスは自ら営業しないといけないし、報酬を請求して自ら回収しないといけない。こういうことができないとフリーランスには向かないかもね。
■保険・福利厚生…生活基盤はどっちが安心?
そらみ:このテーマは、フリーランス弱いですよね(笑)実際、リスクヘッジしてないしなぁ。
野中:会社員の場合、銀行口座を作れる、ローンを組める、家を借りれる、クレジットカードを作れるなどの社会的信用がありますよね。個人事業主の場合、1億売り上げあっても家を借りれない場合もあるので、会社員のうちにこういうことはやっておいた方がいいかもしれません。ただ、個人で生きる力があって、有り余って稼げるようになれば話は別ですが。
そらみ:私は今でも不便に思うことってあまりなくて、人生のリスクについて考えることもありますが、いざという時は誰かに助けてもらえるという根拠のない自信があるんですよね。いろいろな人にたくさん出会ってきたので、人類皆家族みたいな感覚があって。なんとか生きていけるっしょ! みたいな。
スガ:人の出会いは無形資産でセーフティーネットになりますよね。
野中:仕事は人から来ますよね。会社員が安全かと言えばそうでもなくて、例えばIT化が進めば、大手企業でも職はなくなったりするかもしれません。
会社員の場合は、スキルや経験を貯めて個人でビジネスを作り稼ぐ力をつけるまでは、副業で好きなことにチャレンジするのがリスクが少ないのでは、とも思います。
■仕事の選び方。どっちの方が自分らしく働ける?
大田:テーマが旅より働き方よりになっていますが、企業とフリーランス、どっちの方が自分らしく働けると思いますか?
そらみ:学びのある仕事を請けていきたくて、もしこの仕事を請けたら、その先の自分がどうなるか想像できないものが面白い。
スガ:どういうこと?
そらみ:この仕事は数ヶ月後にはこうなっているとわかるより、請けた段階では、自分がどんなものを生み出すかわからないような仕事です。
大田:企業の新規事業なんかでは、「これは今までやったことないのでわかりません」とか言う人が多い中で、そらみさんの場合はわからないからこそ面白いと。
そらみ:私の場合は変化が必要で、毎日同じ人と会うのは嫌ですし、企業の場合は仕事をするのに誰か説得しないといけなくて、それも向いてないかな。
野中:話を聞いていて、本当面白い方だなぁと感じます。イノベーターの思考回路だと思うんですが、好奇心ですぐに動ける人の割合って5%くらいしかいないんです。それだな、と。
そらみ:やった(笑)イノベーター!
野中:私はキャリアカウンセリングをすることもあるのですが、その時は好き嫌いを大事にして欲しいと言っています。好きなことと聞かれてもわからないなという人は嫌いなことを無くしていくといいと思う。例えば、私はかぼちゃを食べるのが嫌いなので、それを毎日食べるのは耐えられないと思います。その反面、いちごは大好きだけど毎日食べなくても大丈夫なんです。
大田:好きなものを毎日食べなくていいけど、嫌いなものを毎日食べるのは嫌だと、と。
野中:同様に、働くにおいても嫌いを減らすことが大事。朝、雨が降って通勤するのが嫌だなぁと思ったら、リモートワークを取り入れるなどして、心地よく仕事ができるようにするみたいに。
そらみ:めっちゃわかる! 私も、今でこそ、これがやりたい! これがやりたくない! ということがハッキリしてるけど、昔は、これやりたい! と思えることなんてなかった。
何かやるたびに、これは違うかな……と思う”嫌な要素”を見つけて減らしていくと、やりたいことが見えてきたんです。
フリーランスをしてると、バカにされたり、見下されたりすることなんてしょっちゅうあるけど、「いい作品を作りたい」ということにフォーカスして、1つひとつ不要なものを削ぎ落としていったら、今のスタンスになったんだよね。
■未来の理想の働き方。夢を叶えられるのはどっち!?
野中:長いスパンで見るなら、お金と夢のバランスかなと思うんですけど、雇用形態に関わらず自分の名前で仕事もらえると心の満足度は高いですよね。
そらみ:それでいうと、フリーランスの旅人は、なんだか自己肯定感が高い人が多いですね。
スガ:たしかにフリーランスと一緒に仕事していると、やたら自分に自信はある人はいますね。企業勤めだとストレスってどんなところにありますか?
野中:ストレスは毎日あります・・・※イベントで話した詳しい内容は割愛(笑)
大田:企業人トラベラーも組織のあり方が変化しているので、フリーランスや個人の働き方と組織の合間ができて壁が融解してきた感じはしますよね。
スガ:やっぱり、そらみさんは今後もフリーランスで1人で仕事をしていくのが合っている人ですか?
そらみ:フリーランスも、そもそも1人じゃ仕事ができないんですよ。私は特にいろいろな人と関わっているので超自由ではないのですが、働き方や関わる人を選べるのは大きいですし、行動起こす時に自分さえ納得していれば良いというのは早いし楽。会社員は、先輩や上司を納得させなくてはいけないから大変だろうなと思う。
会社員は、愚痴を言える相手がいるから愚痴が出やすいんだと思う。フリーランスだと、愚痴を言う相手がいない。その仕事や働き方を選んだのは全部自分自身だしね。
野中:会社員は、未来に夢や願望を描いている人が多い! 将来のキャリアが想像しやすいからかな。でも、こうなったらいいな〜といいつつ、現状に不満言うばかりで、実際は何もしない人が多いんだけどね(笑)。
そらみ:あっ、私わかりました!
スガ:何が?
そらみ:この未来の理想の働き方っていうテーマの問い、なんかずっとしっくり来ていなくて。でも、そもそも私、未来は考えてない(笑)未来を考えて動けない人はフリーランスに向いてなくて、会社員を辞めない方が未来を観れると思うんです。
私は今が我慢できないので、日々理想を更新中です。
野中:わかります。富士山の頂上を想像(妄想)しながら山を登るか、今歩いている登山道のハイキングで見える景色を楽しむかみたいな。
そらみ:そうですね。遠い未来は考えず、昨日より今日、今日より明日くらいの感覚で生きてます。
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そして、理想は自ら見聞きし体験したことが軸になる。最初はライスワーク(食べるための仕事)もしながら、旅を通じていろいろな経験をすると、あっ、この生き方自分にあってる! って、気づく日がくるかもね。楽しいイベントでした!
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