ここには、世界遺産もミュージアムも遊園地もありません。
でも、何日でも滞在したいし、何度も来たくなる。
そんな街がスペインにあります。
サン・セバスティアン。
バルの発祥地であり、世界一の美食の街とも言われているこの場所では、「本当の豊かさとは? 」と、自らに問いかけたくなる瞬間をたくさん味わうことができました。
もちろん、グルメだけを旅の目的にしても楽しいのですが(うん、すごく楽しい)、今回はぼくがこの街に数日間滞在して感じた理想のライフスタイルについてもご紹介します。
サン・セバスティアンってどこにあるの?
スペインの山岳地帯、バスク自治州にあるリゾートタウン「サン・セバスティアン」。
地図で言うとここらへんです。
日本からの行き方は、バルセロナやマドリードなどスペインの都市からか、フランスやオランダなど近隣諸国の都市から、ビルバオ空港やサン・セバスティアン空港へのフライト。もしくは高速バスなどで向かいます。
今回は、バルセロナに数日滞在し、そこからサン・セバスティアン空港へ。と思ったのですが、風の影響で遅延し、急遽ビルバオ空港へ着陸。無料の送迎バスで送っていただきました。
街並みは、Theヨーロッパといった洗練された雰囲気。
中でも石畳の旧市街エリアは、子供からおじいちゃん、観光客まで、いろいろな人がショッピングにバル巡りに散歩に鬼ごっこにと、思い思いの時間を過ごしていました。
写真を見返すだけで素敵な場所だなぁとニマニマしてしまいます。
サン・セバスティアンで何をする?
有名な観光地の場合、あそこも行かなきゃ、ここも行かなきゃとぎゅうぎゅうにプランを詰め込んで、結果的に疲弊してしまうこともありますよね。
ここサン・セバスティアンは、いい意味で何もありません。
あえて”いい意味”でと言ったのは、海に山に街に全てがバランスよくあり、数え切れないほどのバルやレストランもあり、何日あっても足りない! と思えてしまうほど素敵な場所なんですが、観光名所として何かを見に来るより、のんびり暮らすように旅するのに向いている場所だからです。
午前中は海水浴や散歩で軽く汗を流し、ランチはバル巡りをして、昼寝(シエスタ)して、夕暮れ時から街に繰り出し(夏は夜の19時、20時でもとても明るい)、またお好みのバルを見つけては食べ歩き、宿に戻ってからはロウソクのほのかな明かりを眺めながら語り合う……
一人旅でも楽しい街ですが、気の合う仲間やパートナーがいればさらに豊かさを感じられる場所になると思います。
でも、それってサン・セバスティアンじゃなくてもできるんじゃない!?
と思ったそこのあなた!
ここ、サン・セバスティアンはバル発祥の地と呼ばれ、もともとあった食文化を、町ぐるみでさらにレベル向上につとめています。
結果、多くのお店が手頃な価格で、一流レストラン並みのクオリティの料理やここでしか食べられない独自のメニューを提供し、全国から観光客が訪れるまでにアップデートされました。
本当に美味しい「食」という調味料を日常にふりかけるだけで、何とも味わい深い時間を過ごせるんです。
食べること、語ることが好きなら天国。そうでなくてもヘブン
“小皿の芸術”と称される、一口サイズのピンチョスが食べられるバル。
世界の美食家が集う高級レストラン。
地元のスーパーにも新鮮な魚から、生ハム、宝石のような果物まで選り取り見取り。
しかも、バル巡りは、お腹いっぱいに食べても「えっ、こんな安かったんだ!」と思えるほど、手軽な価格帯で料理を楽しめます。
だいたい一皿が200-500円くらいで、1軒のお店で食べ過ぎないように注意して、何軒かハシゴしながらお気に入りの店を見つけていきます。
これがまぁ楽しい。
全部は紹介できませんが、ぼくが立ち寄ったオススメな店をイドウモンに紹介してもらいます。
■BAR SPORT
所在地: Fermin Calbeton Kalea, 10, 20003 Donostia, Gipuzkoa, スペイン
■Beti Jai
所在地: Fermin Calbeton Kalea, 22, 20003 Donostia, Gipuzkoa, スペイン
■Sirimiri
所在地: Calle Mayor, 18, 20003 San Sebastián, Guipúzcoa, スペイン
■Zazpi Bar-Restaurante
所在地: San Martzial Kalea, 7, 20005 Donostia, Gipuzkoa, スペイン
■Casa Alcalde
所在地: Mayor Kalea, 19, 20003 Donostia, Gipuzkoa, スペイン
■ASTELENA 1997
所在地: Euskal Herria Kalea, 3, 20003 Donostia, Gipuzkoa, スペイン
ここで紹介したお店は全て、実際に行った方や地元の方がオススメする場所。
もう全て、「美味しいね」「美味しいねー」「うまっ!」と子供が使うような単語しか出てこない自分の語彙力のなさを嘆くと同時に、本当に美味しいものはシンプルな言葉でしか表現できないという、この世の真理に一歩近づいた気がしました。
他にもミシュラン3つ星レストランの「Martín Berasategui」でランチを食べたり……
市場で新鮮な果物や生ハムを買い込み、食卓で今日の感想を語り合いながらパクパクとつまんだり……
食を中心にした日常は、観光とも出張とも違う、暮らすように旅するライフスタイルとして、これからも体験していきたいと思いました。
尚、ぼくの中の豊かさの定義は(スペインに行く前から)以下のように掲げています。
時間や場所とらわれない生き方をする。そして、そんな仲間を日本中、世界中に作り、出会いに行く旅を人生の豊かさの指標の1つにする。また、広い世界を見ると同時に目の前の”今”の幸せを大事にして、家族やパートナーや仲間、そして自分自身を満たす活き方(生き方)を実現する。 |
普段、日本で生活しているといろいろなことにとらわれて想い通りにはいかないなぁと悩むことも多くありますが、サン・セバスティアンで過ごした日々には、理想のライフスタイルに近づくヒントがたくさん詰まっていました。
そう、気の合う仲間と美味しいものを食べながら語り合うと、人は自然体になれる。
ぜひ、みなさんも本当に豊かな時間を求めて旅をしてみませんか?
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