
こんにちは。自転車旅ライターの松田然(もゆる)です。
自転車好きが高じて、日本47都道府県をすべて走り回ったり、海外にも旅やトライアスロンのレースで海を渡ったりと、自転車が生活の一部になっている人です。
と、自己紹介するとパワフルな体育会系サイクリストに思われガチですが……本当は「もゆる」という名前の通り”ゆるい性格”です。

一番好きなスタイルはマイペースで街や自然の中をゆったり走ること。歩くより少し速いペースで、その土地の景色や匂いや風を感じながら自転車でのんびり走る1日は超贅沢なひと時です。
でも、この愉しさを知っている人はまだ日本では少ないよなぁ……
と、(本気で)思っていたら、素敵な取り組みを発見してしまったのです。
それが、東京の南青山にあるライフ・クリエーション・スペースOVEが企画運営している「散走」。
※「散」歩をするように、自転車で「走」る=「散走」
この取り組みを知った時は、なぜか自分のことのように嬉しくなったので、今回は参加者として1日プログラムを体験してきました。
いやぁ〜、先に結論から言うとですね……
予想通り、いやそれ以上に充実した内容だったので、レポート風に「散走」の愉しさをご紹介します。
「ライフ・クリエーション・スペース OVE 」が手がける、「散走」とは?
場所は、東京の南青山の住宅街の一角。
おしゃれなカフェも併設されていて食事もいただける場所なんですが、それだけにとどまらない魅力がここにはあります。
OVEのサイトのトップページには、このように書かれていました。

「お腹を満たしながら、こころも満たす、そんな時間をお届けしたい。」
いいですね。(お届けされたい!)
OVEという名前は、“Opportunity”(機会)、“Value”(価値)、“Ease”(気楽さ)の頭文字からできたそうで、運営会社は日本が誇る世界最大級の自転車パーツメーカー、株式会社シマノ。
そのため「自転車のある生活」を豊かにするお手伝いをするをコンセプトに、サイクルライフコンシェルジュが在籍しているなど、自転車好きはもちろん、自転車初心者も楽しめる場所になっています。
>>南青山OVE http://www.ove-web.com/top.html東京都港区南青山3-4-8 KDXレジデンス南青山 1F 営業時間 10:00~19:00(L.O.18:00)月曜定休日(祝日の場合は営業、翌火曜日代休) |
OVEが企画運営している「散走」は、”自分らしく自転車に乗る”をテーマに2006年から開催しているそうです。
具体的にはどんなプログラムがあるの……?
と、HPにあるイベントカレンダーを見るとですね、築地快食散走、平日武蔵野散走、世田谷グルメ散走、鎌倉紫陽花散走、花と緑とブランチ散走……と、まぁいろいろな企画をいろいろな場所で行なっているみたいです。ステキ。
自転車やヘルメット、グローブなどはOVEが用意してくれているのも初心者には嬉しいですね。


そして、今回のテーマは「カメラ散走」。
約2年ぶりに実施とのことでした。
その名の通り、カメラを持ってシャッターチャンスを探しに行く旅へ。
さてさて、どんな1日になるのでしょうか。
南青山集合。自転車とカメラのレクチャーからスタート

朝、南青山のOVEに到着。

店内は南青山という土地のイメージぴったりの洗練された空間。

見渡せば、自転車グッズがたくさんあり、もうこの時点で自転車好きな僕は息づかいが荒くなってました。はぁはぁ。
ということで、お待たせしました。本日のメイン講師、中村さんのレクチャーがスタート。

「カメラ散走」だから、走りながら写真撮ればいいんでしょ!?
という単純な企画ではないことが、レクチャーが始まってすぐにわかりました。
しっかり事前に撮影の心得を教えていただけるのは、ありがたい。
主に、3つの課題を意識して都内の名所を巡りながら撮影する企画のようです。
【課題1】撮りたい!と思った時に、シャッターを切ろう
自転車で走っていると「あっ、すごい素敵!」と思える景色に出会えることがあります。でも、そんな時に限って、自転車を止めることなく通り過ぎてしまうことも。特に坂道でスピードが乗っている時なんて、絶景に出くわしても止まれないし、かといって元の場所に引き返すのも面倒で……と、なりがちです。
今回は、意識だけでも「この先で面白いものが撮れるかも」と想像したり期待しながら走ってみて、撮りたい時にシャッターをとにかく切ろう!というアドバイスがありました。
【課題2】最初の1枚は、あとで「活かし」やすい写真を撮ってみる。それから撮りたい写真を撮ってみる。
つまり、同じ場所でわざと「こんなはずじゃなかった」という写真と、「これが撮りたかった」という写真を撮るミッション。
写真を撮りっぱなしではなく、改めて写真の中の「ストーリー」を探して、「こんなはずじゃなかった」も、あとで活かせるようにするためとのことでした。
【課題3】画面の中に自転車を入れてみよう。
自転車は背景に紛れこみやすく、例えば、電柱やガードレールなど無機質な人工物が後ろにあると、自転車の細いスポークやフレームなどが景色に紛れ込んでしまうので注意が必要とのこと。このようなことも意識して、自転車が入った風景を撮るミッションです。
このような事前レクチャーがあるのはとても有意義でした。いい写真を撮りたい欲がムズムズと湧き上がります。
カメラ散走へ出発!まずは川沿いの新緑が美しい中目黒エリアへ
いよいよスタート!

中村さんを先頭に隊列を組んで進みます。
天気がいい日のサイクリングは本当に気持ちいいっ!
あっ、今回の呼び名は「散走」だった!

と、一人ブツブツ呟きながら走っていると、さっそくシャッターチャンスが!
布団が落ちている。
普段ならそのまま通り過ぎる風景も……

ふとんがふっとんでる!!
というキャプションを付けたいがために立ち止まる。
何これ楽しい!(自分だけ楽しんでるw)

と、言っている間に一行は目黒川に到着。

イベントの開催日が4月末のGW中だったので、新緑が眩しい。
時に立ち止まって、さっそく参加者の方々と一緒に撮影タイム!

川にかかる赤い橋と、新緑の緑が印象的でした。
その後、今回は少人数のチームに分かれて自由行動に。
目黒川沿いを河口に向かって走りながら、気になったポイントで写真を撮ります。
ちょっと走り疲れたらサンドイッチとコーヒーを買って休憩タイム。

目的地まで速く、早く、着くことを目指すのではなく、楽しみながら走る。
これこそ、自転車の醍醐味だと改めて感じることができました。
大崎・品川エリアは緑とビルのバランスがフォトジェニック

再び目黒川沿いを走り、街を抜けると
ヨットハーバーのような建物が見えてきました。

なんとも写真映えするスポット。

休日だったので、たくさんのお客様で賑わっていました。
ゆったり散走だと、自転車でこんなお洒落な場所にも立ち寄れるのがいいですね。

TY HARBOR>>
東京都品川区東品川2-1-3 ボンドストリート Lunch〕11:30〜14:00 L.O.(土日祝〜15:00 L.O.) |
たっぷり休憩してから(走っている時間より休憩時間の方が長い!?)次の目的地へ。
レインボーブリッジや東京タワーを横目に、再びOVE南青山へ
ゆっくり話せるペースで自転車を漕ぎながら、芝浦エリアへ
お台場にかかるレインボーブリッジがとっても綺麗に見えるスポットに立ち寄り、撮影会。

自転車だと行動範囲は広いのに気軽に立ち止まれるので、シャッターチャンスを逃さない。旅の素敵な相棒だなぁと感じることができました。

その後、東京のランドマークを撮影したり。

鉄橋の下を歩いて渡ったり。

細い道を走り抜けたり。

車や地下鉄では通り過ぎたり、そもそも通れない場所も自転車ならスイスイ。
東京の街にも、こんなにフォトジェニックでシャッターを切りたくなる場所がたくさんあるんだなぁと改めて気づくことができました。
走って終わりではない!美味しいランチのあとは座学でお勉強
朝10時から走り始めて、OVEに戻ってきたのは13時過ぎ。
のんびり約20キロ程走りました。
そして、着替えを済ませると、お待ちかねのランチタイムです。

走り終えて少し疲れた体に染みわたる優しい味の料理でした。
一緒に走った参加者と、今日の感想を雑談しあいながら食べるご飯は本当に美味しいですね。
「散走」の醍醐味は、こんなちょっとした時間にも凝縮されているなぁと感じちゃいました。

そして、今回はこれで終わりではありません。
各自「出来の良い写真」と「こんなはずじゃなかった写真」を何枚かセレクトし、みんなで感想を言い合ったり、中村さんが改善点をフィードバックする時間。
写真をTVに大きく写しながら行ったので、とても撮影のポイントがわかりやすかったです。

ちょっとうまく撮れなかったなという写真でも、LightroomやPhotoshopなどのWebツールを使えば、救えることもあることを中村さんが実践して教えてくれました。
ダメだった写真も一工夫すれば「思い出の写真」になる。
これは新しい発見です!
まとめ
今までの僕は、一人でマイペースなサイクリングや自転車旅が多く、それはそれで愉しいのですが、今回のように”みんなで走る”のはもっと愉しかったのが正直なところ。
のんびりトークしながら走ったり、撮影スポットで立ち止まって写真を撮り合ったり、走った後にみんなで食べるご飯はいつもの数倍美味しかったり……
感動や楽しさをすぐに誰かとシェアできるのはとってもいい体験でした。
これからもOVEでは、毎月のように「散走」が企画されているので、ぜひ興味のある方はチェックしてみてください。
僕も、この面白さを経験しちゃったので、また興味ある企画には参加したり、そもそもOVE自体がステキな場所なので、ふらっとお茶をしに訪れたいと思います。
>>南青山OVE
http://www.ove-web.com/top.html
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