【いい話になった、話】旅とは、人生なのか?

 

「この子、どんくさいな…」

自転車で何回も転ぶその子を見て、

正直、そう思っていた。

 

今から数年前、

カナダのトロントからモントリオールまで

自転車で旅をした。

 

日本の地理で距離をわかりやすくご紹介すると

東京~神戸間くらい(約700キロ)。

 

きっかけは、単純だった。

語学学校で一緒になった韓国人の女の子が

「自転車で1人旅をしたい」

と・・・言い出したからだ。

 

あまり親しい友達でもなかったが

「危ないから辞めた方がいい」と説得した。

その1年前に東京~鹿児島間を自転車で走っており

自転車長距離旅の大変さを(面白さも)知っていたからだ。

 

つたない英語で「女の子一人では厳しいよ」と伝えたが

5分後には流暢な英語で逆に説得されていた。

韓国人の女の子:「You’re a good partner(意訳:女の子一人では確かに危なそうけど、あなたがいれば大丈夫そうだわ)」

俺:「Of course, all right…(もちろん…)」

 

数日後、ボクらは一緒に旅に出たw

ホームステイ先から借りたブリキのおもちゃのような自転車で…

 

カナダの雄大すぎる自然、

温かい人々との出会いは想像以上に素晴らしかった。

 

旅程では、カナダからアメリカまでを含む歴史的大停電にも遭遇した。

満点の天の川の下

知らない街の住民のほとんど全員が道路に出てきて

無料でステーキやビールをボクらに差し出してくれた。

ハプニングを豪快に楽しむ現地のカルチャーは、今でも忘れられない。

 

そんな経験を経て、2人の絆は深いものになっていった。

 

ただ1つだけ、解せない出来事があった。

その子は自転車でしょっちゅう転ぶのだ。

もともと器用な子ではなかったので、

そこまで重大に受け止めてなかったが

旅を終えて送られて来た写真を見て

その答えがわかった。

 

地理が得意な自分は

常に先頭になって走っていた。

どうやら

その後ろで、前をいく自分の写真を撮ろうとして転んでいたようなのだ。

「やっぱり自転車に乗りながら撮るのは難しいスムニダ(そんな感じの英語)」

いい子やん…

 

その後、お互いの国に帰っても

メールなどでのやり取りは続いていた。

 

えっ、2人は本当のパートナーになったかって。

そんなこと、聞いてない(笑)?

 

今朝、部屋を掃除していたら

その子が撮った写真が出てきたので

こうして、ブログを書いてみた。

 

旅は人生であり、

人生とは旅であった方が面白い。

それは、確かなことだと思う。

写真 (1)

 

 

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