自由になりたかったら嫌われろ?話題の本、『嫌われる勇気』が面白い

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自由を行使したければ、そこにはコストが伴います。

そして対人関係における自由のコストとは、他者から嫌われることなのです。

この1文を聞いて、「いや、それは違うだろう!」「つまり、どういうこと?」と、想う方も多いのではないでしょうか?

フロイトやユングと並ぶ心理学の三大巨頭の1人、アドラーの教えをとてもわかりやすく説明している、「嫌われる勇気」には、そんな挑発的な言葉が多く並びます。

それでいて、読み進めていくうちに人間の本質を突いて突いて突きまくっているのが面白い。

私自身、自己啓発本などは最近ほとんど読まなくなりましたが「7つの習慣」や「人を動かす」といった歴史的名著にも大きな影響を与えたアドラーの教えはまさしく王道のように感じます。

そして、何よりこの本、読みやすい!
ギリシア哲学の古典的手法である対話篇の形式に落とし込まれているのですが、アドラーの教えを説く哲人に青年が反論する演出で、最後まで飽きずにページを進めてしまいます。

哲人:世界はシンプルであり、人生もまたシンプルです。
青年:なぜです?誰がどうみても矛盾に満ちた混沌ではありませんか?
哲人:それは「世界」が混沌なのではなく、ひとえに「あなた」が世界を複雑なものとしているのです。
青年:わたしが?

哲人:アドラー心理学は、勇気の心理学です。あなたが不幸なのは、過去や環境のせいではありません。ましてや能力が足りないのでもない。あなたには、ただ「勇気」が足りない。いうなれば「幸せになる勇気」が足りていないのです。
青年:幸せになる勇気…
哲人:もっと説明が必要ですか?
青年:いや、待ってください。なんだか頭が混乱してきましたよ。

ここだけ読むと、哲人の言葉がちょっと宗教チックに思えるものの、全ての悩みは対人関係にあるというアドラーの教えの根本がこういったところにあります。
※そして、哲人(アドラー)の教えより、文中ところどころに出てくる青年の大袈裟な反論にツッコミたくなる方も多いはず。

「アドラーはトラウマを否定する」
「アドラー心理学では承認欲求を否定する」

など、ついつい陥りがちなこのような思考にも哲人は警笛をならしています。

アドラー心理学では承認欲求に抗いながらも、共同体に対して積極的にコミットしていくことこそが自由かつ幸福な生き方だと説いています。そして、冒頭で触れた「嫌われること」で「自由」になることにも言及しています。しかし、嫌われてもいいけど「◯◯」は見失わないでねーと言っているのですが、ここら辺は大事なところなので、詳しくは本文で。

やりたいことに一歩踏み出せなかったり、失敗を引きずっていたり、自分を変えたいと思っている方にはぜひ読んでいただきたいです。

個人的には、目的の捉え方が好きですね。

目的をどこに置くか。頂上へ達することが目的だったらヘリコプターで向かって5分滞在すれば終わってしまう。そうではなく、山頂に辿りつけなくても登山そのものを楽しむ人生であれ

過去や未来にとらわれず、今を生きろ。
そんなよく聞くキーワードも、この本を読めばすんなり入ってくると思いますよ。

 

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